9月30日(土)、10月1日(日)の二日間、東京・有明の東京ビッグサイト東7・8ホールで「第57回全日本模型ホビーショー」が開催。どのメーカーも模型はリアリティを追求し、どれだけプラモデルで本物に近づけるかを競い合っている。
そこでプラモデルで有名な老舗タミヤ模型にそのこだわりを聞いた。
「(株)タミヤ」ブースには第二次世界大戦時の飛行機、戦車が展示。
中でも大きくスペースを割いて展示されていたのは先週発売になったという1/32スケールの「ヴォートF4U-1Dコルセア」。
コルセアは1944年4月に初めて空母艦載機として正式採用され、付け根から太くなったプロペラ、視界改善のために位置を高めた操縦席などが特徴だ。
翼を広げたバージョンと空母に積むために翼を折り畳んだ2つのバージョンが展示されている。
タミヤブースの担当者にこのコルセアは翼の折り畳みが自在にできるのか聞くと「本物のコルセアはもちろんできますが、プラモデルではできないんです」と、この2つは別バージョンという。
プラモデルでも、仕掛けを作れば折り畳めるのではと聞くと「そうなると翼に実際と違うものをつけることになってしまう。私たちは当時の本物をどれだけ再現するかにこだわりを持っているんです。エンジン、コクピットや翼を折り曲げた箇所を見て頂いても分かる通り、本物そのままに細かく再現しています。しかし、1/32と、ここまで小さくなると翼を折り畳む部品の再現は難しいんです」と、こだわりゆえの苦悩も垣間見える。
実際とは大きさも形も違う折りたたみの仕掛けは作れるが、リアリティを追求するため、本物の部品を1/32にしてしまうと、翼の関節部分が小さくなりすぎて再現しきれない、また強度が保てず破損してしまうなど問題があるようだ。
そのため、このコルセアは組立時に主翼の展開状態と折りたたんだ状態をどちらか一方を選んで組み立てる仕様となっている。
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