秋葉原からほど近い、神田神保町にある「小諸そば 神田白山通り店」が9月30日に閉店、10月1日に看板を撤去した。
同店の関係者は、閉店理由を「原材料のそばの高騰もありますが、人費の値上がりや商品価格の安さなどもあります」と話す。
小諸そばは、今年5月に原材料や管理コストの高騰を理由に、従来、260円(税込)だった「かけそば」「もりそば」を290円(税込)にするなど、全てのメニューでおよそ30円値上げしたが、このお店の継続とはならなかったようだ。
実は、この値上げでも3大立ち食い蕎麦チェーンと言われる富士そば、ゆで太郎、小諸そばの中でもそば、うどんのメニューでは小諸そばが最も安く、サラリーマン、学生にはありがたい店舗だった。
神保町界隈はカレーとともに、そばの激戦区として知られ、近隣には「いわもとQ」や「嵯峨谷」などの立ち食いそば以外にも多くのそば店があり、しのぎを削る。
また、2015年末まで「ゆで太郎」が、2016年3月まで近隣で「梅もと」が、同年5月まで「富士そば」が営業するなど、立ち食いそばチェーンがほぼ揃っていた時期もあった。そこに小諸そばは4店舗も出店していた。残り3店舗を残す。大健闘である。
この激戦地を生き残り策について、江戸ソバリエとしてテレビにも出演する前島敏正氏に聞くと「まぁ、神保町のような激戦区の場合、他店と比較した際に、定番メニューはいいが、時代に合った新規メニューなども必要なのではないか。最近伸びている立ち食いソバの『そば助』は、つけダレにラー油を使った蕎麦に韓国のりを乗せたオリジナルメニューなど提供している」と話す。
しかしながらコスパ的には嬉しい小諸そば、残り3店舗もあるので神保町界隈で安く抑えたいときは激戦区で奮闘する小諸そばに足を運ぼう。
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