ドワンゴは、コスプレイヤーのキャスティング、衣装制作などコスプレに関する案件をワンストップで対応する新事業「コスプレエージェンシー」を4月5日(木)より始動させた。大手企業による“コスプレ特化型”代理店業務の立ち上げは、過去に前例がなく、今後さらにコスプレイヤーの活動の幅が広がる可能性を秘めている。
昨今コミックマーケットやゲームショウ、アニメジャパンといったサブカル系イベントでは、各ブースに人気コスプレイヤーが登場し集客の一翼を担っている。コスプレイヤーのキャスティング業をする男性A氏は「コスプレイヤーをコンパニオンとして起用する場合もあれば、ブース内でプチ撮影会を実施するケースもあり、色々な使い方ができる。人だかりを創出するのにいまは重要なコンテンツ」だと位置づけている。
人気があるコスプレイヤーは、Twitterで多くのファンを抱えている。1回のつぶやきで広く情報拡散できることは強い武器になっている。RTやいいねなど「数字」でわかる盛り上がりは、「クライアントに評価されやすいポイント」(A氏)だ。
「なので、フォロワー多い子を起用するのは最低条件。ただアサインがそう簡単にいかない場合も多い。そういう場合は単価の安いコスプレイヤーを何人か起用して、フォロワー数を合算してクライアントに提案している。コスプレイヤーは、学生とかフリーターが多いですから、打ち合わせのすっぽかし、当日遅刻、ギャラなど起用に関することで揉めることもよくありますよ。いかに互いの信頼関係つくっておくかが重要で、骨が折れるのは間違いないですね(笑)」(A氏)。
依頼金額は「相場通り」
A氏はもともと秋葉原のメイド喫茶でマネージャーをしていた人物だ。同業者を見渡すと、芸プロ元関係者が運営している会社から、アマチュアカメラマンあがりで副業としてやっている“自称マネージャー”まで玉石混交だという。「今回のコスプレエージェンシーのように『ドワンゴが運営している』というだけで信頼度がある。名前が出ているコスプレイヤーもみな事務所所属なので、安定感はある」と一定の評価をする。
さらに注目すべきはコスプレエージェンシーが受注金額の相場をwebに出しているところだ。ポスターや撮影などの撮影は2万円〜、イベントモデルは3万円〜、海外へのイベント出演は10万円〜となっていて、コスプレイヤーのランクや業務内容によって金額が変わるものと見られている。
「コスプレイヤー起用案件は、本当にピンキリ。衣装制作と一緒に1000万円くらいの予算をかけるプロジェクトもあれば、『3人起用で合計2万円の予算で』といわれるケースもある。『コスプレエージェンシー』の価格は一見安く見えるが、おおよそ相場通りで悪くないのでは。サイトを読むとサービスを利用する企業は、さらに手数料1万円、進行管理料として全体の10%が上乗せされると記載がある。一人につき手数料1万円をとる部分で帳尻があっていると思う」(A氏)と話す。