ベルサール秋葉原にほど近い場所にある同人専門店「三月兎さんげっと店」。昨年11月頃に本オープンし、同人ゲームをメインに同人音楽や同人誌なども取り扱う、中々ディープなスポットだ。そんな「三月兎さんげっと店」だが、現在、売上の関係上で窮地に立たされている。
GW明けに運命のジャッジ
異変があったのは2015年3月14日。三月兎の公式ツイッターにて、さんげっと店が“死の宣告”を受けたことが明らかになった。
非常に申し上げにくいのですが、さんげっと店頭は「死の宣告」を先日受けました。
このまま改善されませんと、4年前の6月と同じく当店も6月で歴史を閉じる事となりそうです('A`) #akiba
— 三月兎 (@akiba_usagi) 2015, 3月 14
この告知があった後、「三月兎さんげっと店」は独自のTwitterアカウントを開設。詳細はそちらで語られることになった。店長への取材、およびいくつかの呟きからまとめた内容は下記の通り。
・家賃を捻出するのが厳しい状況(月約100万円)
・5月のゴールデンウィーク明けまでに売上の伸び率を見せれば現状の業態のまま続けられる。逆に未達成ならば現在の業態は終了
(勘違いしやすいが、目標値が達成されなかった場合「即閉店」というわけではなく、“現在の業態”が終了することになる)
窮地に立たされた「三月兎さんげっと店」は現状打破するためにTwitterなどを利用して、ユーザーからの改善案を積極的に取り入れた。今も販売方法から店舗の外装・内装など、様々な意見が飛び交っている状態だ。「さんげっと店」が発した「存続の危機に直面している」というツイートは話題を集め、以前よりお客さんの入りは増している。
店長の川崎さんに尋ねたところ、「入口が狭く入りづらい」という意見が多かったらしい。すぐに入口を改装したところ、休日はもちろん平日でも立ち寄る方が多くなったという。
客足は確実に上昇している。「さんげっと店がヤバイから行こう!」という意識が働いていることもあるが、着実に目標値に近づいているようだ。あとは可能な限り店舗を改善し、ゴールデンウィークのブーストに期待するしかない。
さんげっと店の特徴とは
同人ゲームは「とらのあな」や「メロンブックス」などの大手でも購入できる。正直なところ筆者もそう思う。では、「三月兎さんげっと店」の強みとはなんなのか。1つは特徴でもある「ゲームの試遊」だ。店舗内にはアーケード筐体が設置されており、実際にいつくかの同人ゲームを無料で遊ぶことができる。最近導入したシステムにより、筐体に貼り付けられたバーコードを読み取ることでゲームを切り替えられるのも特徴だ。店内で試遊して、興味が湧いたら購入するという、なかなか画期的な試みといえるだろう。実際に遊んでいる方も多く、集客・売上に直結しているようだ。
試しにプレイしたところ思った以上にハマってしまった。これは面白い。
もう1つの特徴は専門店ならでは品揃えにある。「三月兎さんげっと店」では“18禁”は扱っておらず、全年齢対象の商品だけを取り扱っている。店内の写真を見てもらえれば分かると思うが、大手ショップでもなかなか揃えられないような同人ソフトも多い。さらに、大量のスマートデバイスを利用してゲームのデモを流しており、どんな内容なのか分かりやすくしている。購入者にはもちろん、ソフトの製作者にとってもありがたい展開の仕方だ。
ゴールデンウィークまであと数日。稀少な専門店だけに、存続に期待したい。
店舗情報
三月兎さんげっと店
■住所:東京都千代田区外神田3-13-3 TK西館1F
■営業:平日12:00~19:00 土日祝 11:00~19:00 ※状況に応じて若干閉店時間の延長あり
■定休:年中無休(棚卸しや災害時は除く)
■電話:03-3252-4455
■ツイッター:@akiba_usagi3get