合同会社ライブラは、在庫を持たない受注生産型の同人誌委託販売サービス「ライブラ」の正式サービスを11月27日(月)に開始した。
同人誌の発行人は、どうしてもかかってしまう印刷費の負担、イベント後の在庫リスクを全く気にせず同人誌をリリースすることができる。製作できるページ数は最大512ページまで(紙の厚さにもよる)で、カラー、モノクロも選択可能。自作漫画をはじめ、小説、コスプレ写真集なども印刷可能だ。
売れた時に費用が発生
製作までの流れはわかりやすい。「ライブラ」に作品の印刷用データを送付すると、データチェック後「ライブラ」HPで販売の取扱いが開始する。作品を気に入った人がweb上でその本を購入すると、「ライブラ」側で印刷、製本し、購入者に郵送してくれる。その際、設定した販売額から印刷費、諸経費など引かれた金額が、後日同人誌発行人に振り込まれる流れだ。
HPには、ライブラ側が徴収する費用も公開されていて、仮に一般的な「表紙まわりフルカラー、本文モノクロ24ページ構成」という同人誌の場合は、①「表紙代・加工費」で一律380円、②「印刷費(4ページ毎)30円」なので24ページだと180円。①、②の合計560円が差し引きされる。ここに利益をいくら乗せるか同人誌の発行人は計算して、定価を設定すればいい。ページ数やカラー、紙質によっては金額が変動するので、気になる方は同社に問い合わせしてみるといいだろう。
複数ある利用シーン
「実質の原価560円」は高い、と感じる人もいるかもしれない。たしかに通常の印刷費よりは割高だ。しかし、同人誌発行人側からすると、印刷にかかる数万〜数十万円の初期費用がかからず、また残った在庫を保管しておくリスクもないのが最大のメリット。利益率は下がるが、大損するリスクが大幅に軽減されるというのがこのサービスの全貌だ。
しかも1冊注文でも対応してくれる。それゆえ、販売部数の想定がつかない作品や、過去作品の再販、少数部数での発売を考えている作品、さらには売れ行きを測るテスト販売など、利用シーンを選べば便利に使えそうだ。
話はずれるが、雑誌や同人誌の印刷において単価を落とすのは、印刷のロット数だ。一度に大量部数印刷すれば1冊あたりの単価は落ち、少量部数だと1冊あたりの単価は高くなる。実際に1冊だけの注文が入った場合、「ライブラ」側に大きく負担がかかることは間違いない。
同社に取材したところ「宮城にある印刷工場がスピンアウトする形で弊社が出来ていますので、そのコストを大幅に下げることができました。短期間に大量の注文が入ることも想定していますが、基本はお客様が注文して5営業日には弊社から発送できる体制を整えています」とのことだった。つまり、印刷会社と深く連携しているからこそ、実現できたサービスというわけだ。
既存の方法には無かった同人誌の印刷、委託販売サービス。今後どのように繁栄していくか、気になるところである。
サービス概要
ライブラ サービスサイト https://www.libra.sc
サービス紹介ページ「サークル運営者向け」紹介ページ https://libra.sc/circle/
お問い合わせフォーム: https://support.libra.sc/hc/ja/requests/new