6月3日 (日)、東京・秋葉原で開催する予定だったコスプレイベント「AKIBAコスプレイベント」が中止になったことが22日(火)わかった。秋葉原電気街を使ったイベントとして開催発表後、話題になっていた。
今回のコスプレイベントは、コスプレ撮影会として実績があった団体コスナビが進めていたもの。富士ソフトビル敷地内を拠点に、秋葉原電気街の歩行者天国も撮影に使えるとあり、一部好意的な声も上がっていたが、地元商店や住民、さらにはネット上の秋葉原ファンたちから反対の声があがっていた。
コスナビは公式サイトで「当イベントを楽しみにお待ちいただいていた皆様には深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。また、当社が当イベントの開催告知をしたことにより、秋葉原電気街及び近隣にお住まいの皆様、商店様、企業様、その他関係者様には多大なご不安を感じさせ、直接間接にご迷惑をおかけすることとなりました。心よりお詫び申し上げます。
当イベントの計画は、もしも現在の秋葉原電気街で実行すれば、確実にトラブルを引き起こす内容でございました。地域固有の事情について不勉強のまま思い込みに基づいたリスク判断をしたこと、並びに、問題がある旨のご指摘を多数いただいてからその趣旨を理解するまでに時間をかけてしまいましたことを特に深く反省しております。当社は、さまざまなロケーションにおけるイベント主催を通じ、独自の経験とノウハウを有しておりますが、この経験を機に初心にかえり、開催地ごとのご事情に合わせた方法で安全・安心なイベントを企画してまいる所存です」と真摯に謝罪。イベントの中止を決めた。
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池袋や大阪・日本橋など、各地オタクスポットで街ぐるみのコスプレイベントが行なわれているいま、「秋葉原でもコスプレイベントを」と求める声は少なくない。しかし2008年に「秋葉原無差別殺傷事件」が発生していて、歩行者天国が3年に渡って中止。事件発生直前も、コスプレ、撮影関連のトラブルが歩行者天国で起きていた。事件以降、それを払拭するため地元商店や町会はパトロール、防犯カメラ設置など、時間と労力、費用をかけて現在の状況まで戻してきた。そんな経緯があり、「イベントを打つべきではという声も挙るが、まだ地元としては『経過観察期間』」(振興会関係者)と位置づけている。
過去に秋葉原でイベントを企画した某広告代理店関係者は「秋葉原の街全体を使った企画は、町会、商店会が協力体制にならないと現状は通らない。でも今も昔も地元は一枚岩にはならない。それが秋葉原らしさでもある。根回しをするには相当の時間が必要だろう」とイベント開催の難しさについて語る。事態は収束に向かって進み始めた。