昨年11月、『東洋経済ONLINE』に「30代独身男性が今最も住みたい街が秋葉原」という記事が掲載され、話題になった。サブカルの聖地の近くに住みたい、というニーズが高まっているという。しかし、より深く調べてみると、そこには「ただ住むだけ」以外のメリットが存在していた。
家賃相場は9万円前後
まず秋葉原近辺の賃貸状況を説明したい。秋葉原周辺の賃貸マンションは千代田区というブランドもあってか、他のエリアより高い印象だ。必要最低限の規模を1Rまたは1K、25㎡と仮に設定した場合、秋葉原エリアでは管理費・共益費込みで月8.5~9.5万円が相場。それを下回るのは築年数が長い物件や、極めて狭いなどの諸条件がある物件である。
しかも、特に電気街周辺は物件が少ない。不動産屋で「秋葉原に住みたい」と相談すると、物件が増えてくるのは、「浅草橋」「御茶ノ水」「岩本町」「御徒町」「湯島」といった「秋葉原外環」エリア。若干賃料も手頃になってくるエリアであるが、自転車なら4、5分で秋葉原中心地に着けることは魅力であることに違いない。秋葉原駅前にある不動産会社の担当者は「月額3万円〜5万円代のシェアハウス、スモールマンションが昨年は激増しました。今後は低価格帯の物件を中心に、ワンルーム物件が増える見通し」と分析する。
副業のためにマンションを契約
では実際に、最近秋葉原に転居して来た人たちの実態に迫ろう。
秋葉原に足しげく通う30代独身男性のAさんは、今年2月に岩本町近郊のマンションを借りた。家賃は8.5万円。本業は解体作業員。日当制で月22~23万円の収入がある。「秋葉原は交通の便が良く、埼玉や神奈川、千葉方面にも出やすいということで決めましたが、フィギュア好きっていう理由もありますね」とAさん。フィギュアを見るだけなら、なにも賃料が高い秋葉原周辺に住む必要はないのではないか。
「実はレンタルショーケースで、フィギュアを売っています。あちこちに10箱くらい契約していて、その在庫置き場も必要で、このマンションを借りたんです」(Aさん)。
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