1958年に開店し、間もなく60周年を迎える秋葉原屈指の老舗食堂「かんだ食堂」が、惜しまれつつも3月24日(土)に閉店した。
かんだ食堂は、1958(昭和33)年開店の秋葉原を代表する大衆食堂。3月5日に閉店を知らせる張り紙が出され、話題になっていた。関係者によれば、「最近、ビルオーナーがビル自体を売却した。かんだ食堂さんらテナントも出て行かなきゃいけなくなったのだろう」と、ビル側からの立ち退き指示によるものだという。近々、ビルの取り壊し工事が始まる。
かんだ食堂は、隣接した場所にあった「神田青果市場」(現在は複合商業ビル・秋葉原UDX )が活況だった時代から“やっちゃ場”で働く人たちの胃袋を支えた名店。秋葉原で働く人、通う人には高い知名度を誇ったお店で、700円、800円台の定食を数多くそろえる店は珍しく、高い人気があった。
閉店発表後、店舗前には店のファンたちによるノートが設置され、立ち寄った人たちが感謝のメッセージを書き込んでいた。最終日、お店の前に集まったそんなファンたちに一礼した店主は、「長い間本当にありがとうございました。本日をもって都合で閉店させて頂きます。長年のご愛顧心から感謝しております。みなさんどうか御元気でお過ごしください。私はここが地元ですから、またお目にかかる時もあると思います」と挨拶した。ファンからは「ありがとう!」「復活して!」と声が飛んでいた。