8月29日(火)、コンピュータエンターテインメント協会CEDEC運営委員会は、ゲーム開発者に関する生活状況・年収・待遇などを調査したレポートを発表した。1936件のアンケート結果を集計したところ、スマホゲーム従事者はここ3年で大幅減少、一方、据置型ゲーム機従事者は増加傾向に転じていることがわかった。
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会は、日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2017」(8/30~9/1、パシフィコ横浜)の開催に合わせて、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する人を取り巻く環境の調査「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2017」を実施した。
PS4、スイッチ発売効果!?「据置型ゲーム」従事者増加
その中で、アンケート回答者の従事しているプラットフォームを調査する項目が興味深い。この調査は複数回答。つまり、PCゲームとアプリゲームの開発を並行して行っているクリエイターはこれら2つの項目を選択している。なのでこの「%」は、回答者のうち何%がそのプラットフォームに携わっているというパーセンテージで、いまゲーム業界でどのプラットフォームに力が集まっているかがわかる。まず「据置型ゲーム機」従事者は、2015年の27.1%を底に、以降2016年は40.3%、2017年は48.8%と増加傾向に転じている。恐らくPS4やニンテンドースイッチなど新型ハードの流通がその起因になっている。一方で、スマートフォン・ダブレット従事者は、2014年の92.2%がピークで、2015年は64.3%、2016年は53.2%、2017年は48.9%と減少。一時の異常なまでのピークは超えた印象だ。
プラットフォーム別の年収ではあまり大差がみられていないが、「VR、ウェアラブル端末」の開発者は他のジャンルを凌駕する結果となった。まだこれから市場に浸透していく分野とあり、業界でのニーズが高まっている証左かもしれない。
いずれの調査も1936件の回答をもとにしての統計だが、アンケート対象者を役職別にすると「一般」が1213人、一般以外の「リーダークラス、係長クラス、部長クラス、経営者」などの肩書きあり職位が723人と比率が高い。それゆえのアンケート結果でもあるということを追記しておきたい。
調査概要
ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2017
実施 ⼀般社団法⼈コンピュータエンターテインメント協会 CEDEC運営委員会
有効回答数 1936件(インターネット調査、内CEDEC参加者1897名)。
調査対象 プロデューサ、ディレクタ、エンジニア、アーティスト、テクニカルアーティスト、サウンドクリエイタ、プランナ、役員/管理職などに従事する商業ゲーム開発者・スタッフ。
※キーボードの写真はぱくたそより(https://www.pakutaso.com/)