8月29日(火)、コンピュータエンターテインメント協会CEDEC運営委員会は、ゲーム開発者に関する生活状況・年収・待遇などを調査したレポートを発表した。1936件のアンケート結果を集計したところ、ゲーム開発者の平均年収は539万円。特に北海道に勤務するゲーム開発者は全国平均を上回る576.3万円と意外な結果が出た。
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会は、日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2017」(8/30~9/1、パシフィコ横浜)の開催に合わせて、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する人を取り巻く環境の調査「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2017」を実施した。
なぜ北海道の開発者は高収入なのか
それによれば、ゲーム開発者の平均年収は539万円。北海道(576.3万円)、近畿(561.2万円)の勤務者が全体平均を上回った。平均年収は、前回調査の524.60万円を約15万円、第1回調査の2012年の年収から5年間を経て約17万円上回る539.15万円。一方、東北、中部、中国、沖縄は年収300~400万円代と、かなり差がついた。ただ、アンケート実施者1936人中、関東エリア(1641人)、近畿エリア(223人)だけで、対象者のほぼ99%という状況を考えると、東京・大阪といった大都市圏にゲーム関連企業が集中していることがよくわかる。北海道の開発者はなぜ高収入なのか。対象者が少なかったためもあるので一人の年収が平均を高騰させた可能性もあるが、ハドソンといった日本を代表したゲームメーカーが存在していた地とあり、その関連もありそうだ。
転職回数は0回が最も多い56.6%
ゲーム業界の就業年数は、毎回平均10年前後で推移。地域別就労年数では、北海道が13.82年、九州が12.96年と、いずれも全体平均の10.63年を上回っており、逆に中部地域では、8.78年と平均値を下回っている。またゲーム業界での転職回数は0回が56.6%と最も多い一方で、就業年数が長いほど転職回数も多くなっている。
いずれの調査も1936件の回答をもとにしての統計だが、アンケート対象者を役職別にすると「一般」が1213人、一般以外の「リーダークラス、係長クラス、部長クラス、経営者」などの肩書きあり職位が723人と比率が高い。それゆえのアンケート結果でもあるということを追記しておきたい。
調査概要
ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2017
実施 ⼀般社団法⼈コンピュータエンターテインメント協会 CEDEC運営委員会
有効回答数 1936件(インターネット調査、内CEDEC参加者1897名)。
調査対象 プロデューサ、ディレクタ、エンジニア、アーティスト、テクニカルアーティスト、サウンドクリエイタ、プランナ、役員/管理職などに従事する商業ゲーム開発者・スタッフ。
※宝箱の写真はぱくたそより(https://www.pakutaso.com/)