クイウチ松村(松村香織)が拝みながらロープを綱渡りのように歩いて相手を投げる拝み渡りとコーナー最上段からのダイビングセントーンを見せれば、ユンボ島田はデビー&シェリーの自分のウェストほどもありそうな太い脚を束ねて2本同時の膝十字固め。そしてクライマックスはユンボ島田の、コーナー最上段から場外の相手へダイブしたプランチャ・スイシーダだ。これはこの試合で一番、いやこの日一番のインパクトを与えたシーンだった。
圧倒的な体格差に果敢に挑む工事現場同盟の熱闘が繰り広げられる中、最後はそれまでちょくちょくちょっかいを出していた工事現場同盟のルーキーであるセコンドのブラックベリー向井地が、レフェリーのブラインドを突いてリング上のシェリーにパウダーを投げつける。粉を顔に浴びて視界を遮られたシェリーに、クイウチ松村が必殺技のクイウチドライバーを決め、3カウントのフォールを奪った。
「俺ら工事現場同盟がヒール界のナンバーワンなんだよ!」と勝ち誇る島田。そこにデビーが「アメリカにはもっと強いヤツがいるぞ」と語り掛けると、島田は「じゃあ、アメリカに行ってやるよ!」とWIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)からの卒業を宣言した。
島田についてはあのアジャ・コングが自身のツイッターにて「プロフェッショナルな魂はどこでも一緒(中略)ユンボ島田。レスラーとしてヒールとして絶対負けたくない」とつぶやいたほどだ。
と、ここまで完璧なプロレスで大会ベストバウト&MVP級だったこの試合がなぜ最下位の7位なのかと言うと、デビー&シェリーが本物のプロレスラーだからである。
プロレスは技の受け手の技術が要求されるものであり、この2人の高い受けのスキルがあったからこその名勝負だった、と言えるだろう。もちろんプロと渡り合う島田&松村のスキルも素晴らしかったのだが、メンバー同士の試合と比べると有利な点が多過ぎるのであえて7位にした。
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